最近、韓国でユーチューバーやビジュアルディレクターとして活動していた39歳の男性がなくなったニュースがありました。若年者の心筋梗塞であり、この方を直接知らなくても年齢に驚かれた方も多かったでしょう。2011年8月、サッカー元日本代表で松本山雅FCに所属していた松田直樹氏(当時34歳)が、急性心筋梗塞で亡くなったニュースを思い出した方もいるかと思います。
今回は心筋梗塞に関してお話します。
心筋梗塞は心臓の筋肉に栄養を起こっている冠動脈という血管が閉塞することで起こります。動脈硬化で詰まる心筋梗塞と血管の攣縮によって起こる心筋梗塞がありますが、今回は前者に着目します。不安定なプラークが何らかの理由で破綻し、血栓を形成し、突然冠動脈が閉塞するため、心臓の筋肉に栄養が行かなくなり、心筋が壊死してしまいます(
図1)。
心筋梗塞の死亡率は、発症後1時間以内に適切な処置が行われれば低下しますが、発症直後から死亡する人も多く、
発症すると約40%の確率で死亡すると言われています。
予防が重要であるということがよくわかります。
典型的な症状は冷汗を伴う胸痛です。人によっては歯が痛い、左肩が痛いという症状を訴える方もいらっしゃり、これらの症状は放散痛と呼びます(図2)。
診断が付いた時点で基本的に即入院、カテーテルや手術による血行再建(血流を回復させる治療)の適応となります。冠動脈が完全に閉塞しておらず、詰まりかけの状態で耐えていることもあり、その際は数日にわたって、断続的な症状が続く場合もありますが、こちらも診断が付いた時点で即入院の適応です。
それではなぜ今回、若年者の方が心筋梗塞になったのでしょうか?
動脈硬化から起こる心筋梗塞であった場合にはほぼ間違いなく何らかの生活習慣病があったと推測します。
僕も総合病院でカテーテル治療に長く携わってきたので、若年者の心筋梗塞の患者さんを多く見てきましたが、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病のリスクが何もない人はほぼいませんでした。
特に目立った病気をお持ちでない32歳の心筋梗塞の患者さんの治療を行ったことがありました。採血結果でLDL280だったことがあり、後から家族性の高コレステロール血症であったことが発覚したことがありました。この時は年下の患者さんであったので、とてもインパクトが強かったことを覚えています。この方は健康診断で脂質異常症を指摘されておりましたが、無症状だったため、自己判断で放置されていました。
幸いこの患者さんは救命できましたが、早期から投薬治療を開始し、脂質異常症の治療を行っていれば心筋梗塞の発症を防げたかもしれません。
糖尿病、脂質異常症、高血圧など生活習慣病に関わる疾患は基本的に無症状ですが、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などの脳心血管疾患を発症すれば人生が大きく変わってしまいます。
健康診断や採血検査で糖尿病、脂質異常症、高血圧を指摘されたら、放置せず、一度内科のクリニックや病院にご相談するようにお願いします。
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