花粉症のお子様も増えてきており、お子様に花粉症の薬を処方することも多くなってきました。
現在日本人の3人に1人は花粉症であると言われています。花粉症はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどが主な症状です。鼻水は透明でサラサラしたものであることが多いです。
抗アレルギー剤である抗ヒスタミン薬の内服が一般的な対処法ですが、症状が出る前、花粉が飛散を開始する頃から服用を始められると、より効果的とされています。現在でいうと2月の上旬~中旬の時期になります。当クリニックでも、早期の抗アレルギー剤の服用をお勧めしています。今回は選択肢の多い花粉症の治療薬について少しお話をしたいと思います。
一般的に使用されている薬です。市販薬だとアレグラ・アレジオンなどがありますね。
抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが受容体に結合するのをブロックすることでアレルギー症状を抑えます。鼻や目の細胞にあるヒスタミン受容体にくっつかないように邪魔をして症状を抑えるのですが、ヒスタミンの受容体は脳の細胞にもあります。脳の細胞でのヒスタミンの作用が抑えられると、眠気の副作用が生じます。花粉症の薬と眠気はヒスタミンを介して繋がっているわけですが、最近の抗ヒスタミン薬は眠気の少ないものも多くなっております。抗ヒスタミン薬の種類によっては「運転禁止」、「運転注意」などの文言があります。車の運転などされる方、眠気の無い薬をご希望の方は下の表を参考にしてください。最近、即効性・効果が高い薬としてルパフィンが挙げられます。ルパフィンは、抗ヒスタミン作用に加え、抗PAF(platelet activating factor:血小板活性化因子)作用を併せ持つ、新しい作用機序の経口アレルギー性疾患治療剤です。ルパフィンは眠気の副作用が比較的多いとされており、就寝前の内服がおすすめです。ちなみに運転に従事する方は禁止となります。
小児に対する抗ヒスタミン薬)
お子様の花粉症に対してはアレグラ・ザイザル・クラリチン・ジルテック・アレロック・アレジオンが使用可能です。
ロイコトリエンは、鼻の粘膜の炎症や鼻閉を引き起こす化学伝達物質ですので、抗ロイコトリエン拮抗薬は鼻づまり・鼻閉に対して効果が高いと言われています。眠気などの症状も少なく、喘息でも使用されることの多い薬剤です。抗ロイコトリエン拮抗薬には後発品はありますが、市販薬はありません。
本剤をあらわすLTRAとは「Leukotriene Receptor Antagonist(ロイコトリエン受容体拮抗薬)」の略称になります。
花粉症で漢方薬を使うこともあります。鼻水や鼻づまりに使う漢方薬として小青竜湯、麻黄附子細辛湯、葛根湯加川芎辛夷、辛夷清肺湯などが挙げられます。
小青竜湯は花粉症やアレルギー性鼻炎に対してよく用いられており、眠くなる成分も入っておりません。成分が重複していないため、抗ヒスタミン薬との併用も可能ですので、非常に使い勝手のいい薬となっています。
花粉症に対しては上記の内服薬と点眼薬、点鼻薬を併用して治療を行っていくのが基本です。
当院では抗ヒスタミン薬を中心にして、鼻づまりの症状が強い人には抗ロイコトリエン拮抗薬や点鼻のステロイドを併用して治療を行っています。
一方で、これらの治療は症状を抑えるのが目的であり、根本的にアレルギーを治しているわけではありません。
アレルギーを根本的に抑え改善していく治療としては減感作療法が挙げられます。
こちらに詳しく説明がありますので、興味がある方は一度ご覧ください。
監修: Myクリニック本多内科医院 院長 本多洋介
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